
最近、頭が前に出た姿勢をして、しかも表情に乏しい特有の顔と姿勢をした子どもたちを多くみるようになりました。かなりの頻度で口蓋扁桃の腫れやアデノイド、アレルギーを抱え、鼻閉を起こして口呼吸となっています。そのような子どもの多くが不正咬合を持っているのです。
さらに『不正咬合の小児のほぼ8割に頭痛、肩こり等の不定愁訴の合併を認め、9割以上で不良姿勢が合併して』いると報告(小児科臨床1999-11)もされています。
口呼吸では舌や頬、口唇、顎などの姿勢が悪化してしまい、頭位が変わり、気道が狭くなります。狭くなった気道で息をしながらずれた頭位を支えて、二本足で立たねばならないのです。故に、成長発育期の早い段階で呼吸や頭位姿勢に対処する大きな必要性があります。そして、そこにこそ不正咬合の改善を図る本当の意味があります。
従来の矯正歯科治療では、顎の発育がほとんど終了する、11歳頃以降に本格的矯正治療を行います。乱ぐい歯があったりするとスペースをつくるために抜歯したりして、そこに歯を配列していきます。しかしこれらの方法は、顔の顎矯正あるいはオーソトロピクス(成長誘導法)という別の方法によって置きかえられてきています。早い時期にオーソトロピクス治療を開始して、成長を改善して抜歯を避けることができます。両方の治療法にはそれぞれ長所短所もありますが、多くの患者さんはこの治療法を知りません。でも選ぶのはあなたです。
多くの子どもは魅力的な顔になるための可能性を持っていますが、顎の成長方向に影響されるという研究が多く見られます。前方(水平方向)に発育する顔はきれいな歯並びになり、下方(垂直方向)に発育する顔では叢生がみられます。
今、原因療法に一番近いと言われているこのオーソトロピクス自然成長誘導法の最終的な目標は、顔貌(がんぼう)と永久歯の良い咬み合わせの完成にあります。両親にとって大切なことは10歳までに治療すれば垂直成長をさけることができるということを知ることです。
もしお子様の顔が他の子どもと違った顔であれば考えた方がよいでしょう。できれば7~8歳までに治療が始められますように。

くちびるが閉じなかったり、舌を突き出したりというような癖があると、歯並びや発音に大きな影響を及ぼします。MFTはこのような舌やくちびるの癖をトレーニングによって修正して、新しい習慣を身につけていただく療法です。 最近では、「パタカラ」や「ヒットスポット」のような装置もできて、以前よりトレーニングが行いやすくなってきています。これらを使いながら、自分の身体をよりよく使えるようになりましょう。

普段の生活の中で、本に夢中になっていたりテレビをボーっと見ているときに、お口をポカーンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたり、つばを飲み込むときに舌を突き出し、歯を押すような動きをすることがあります。これを舌の癖といいます。
舌の癖のある人で、いつも舌がお口の中で低い位置にあってあまり動かない人は、歯を内側から支えてくれません。逆にいつも前方にあると前歯を押してしまいます。そして、飲みこむときにさらに強い力で歯を押し出します。
また、くちびるの筋肉の力が弱く、特にいつもお口を開けている人は、下顎が重りとなりくちびるがつれるかっこうになり、前歯が押さえつけられて乱杭歯(叢生)になりやすくなります。
私たちは一日600~2000回無意識に飲みこむ動作(嚥下)をしています。押し出す舌の癖のある人は、ものを飲みこむたびに舌で歯を押していることになります。そのため出っ歯になったり、歯と歯の間にすき間が開いたり、上下の歯がかみ合わなくなることがあります。
また、話をするときにはそのすき間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌足らずな発音になることもあります。
[1] 舌の筋肉の力を強くし、よく動くようにする。
[2] ほおをゆるめ、くちびるや口の周りの筋肉(表情筋)に力をつけ、
いつも口を閉めていられるようにする。
[3] 正しい飲み込み方を覚える。
[4] トレーニングで覚えた舌の位置やくちびるの状態を保ち、
日常生活の中で正しい飲み込み方や習慣を身につける。
